第1章 3話 異世界と巫女
3話 異世界と巫女

すばるは目を覚ました。目の前には木々が茂る森が広がっていて、空には太陽が輝いていた。
すばるは自分の身体を見下ろした。制服のまま白いシャツと黒いズボンに身を包んでいた。手首には時計がなかった。ポケットを触るとスマホがあった。
「ここはどこだ?」
すばるは困惑した。自分はどうなっているのだろうか?と思った。
そのとき、森の中から声が聞こえてきた。
「あれ?誰かいるの?」
女性の声だった。すばるは声の方に目を向けた。すると、そこには一人の女性が立っていた。彼女は栗色の髪に赤みが買った瞳を持ち、空のような色の巫女服に身を包んでいた。彼女はすばるに気づくと、驚いた表情をした。
「あなた、どうしてここにいるの?」
彼女はすばるに尋ねた。
「え?あ、あの……」
すばるは言葉に詰まった。彼女は自分の知っている人だった。高校で同じクラスだったさくらだった。
「さくら?」
すばるは呼びかけた。
「え?あなた、私の名前を知ってるの?」
さくらは疑問に思った。
「知ってるよ。同じクラスだったじゃないか」
すばるは言った。
「同じクラス?何のこと?」
さくらは首を傾げた。
「高校のクラスだよ。俺とさくら同じ高校だったじゃないか」
すばるは言った。
「高校生?何それ?」
さくらは不思議そうに聞いた。
「え?高校生っていうのは……」
すばるは説明しようとしたが、途中で止まった。彼は自分とさくらの間に違和感を感じた。彼女は自分のことを知らないようだったし、彼女は高校生という言葉も知らなかった。彼女はこの世界の住人だった。
「もしかして……さくら、この世界の人?」
すばるは尋ねた。
「この世界って何?私はこの世界以外に知らないけど」
さくらは答えた。
「そりゃそうか……やっぱり違うんだ」
すばるは納得した。彼女は自分と同じ顔や名前を持つ別人だった。
自分が転生してきた異世界で出会った偶然の人だった。
「ごめんなさい、勘違いしました」
すばるは謝った。
「いえ、大丈夫ですよ。でも、あなたはどこから来たんですか?どうしてこんな森の中にいるんですか?」
さくらは気になって聞いた。
「それが……実は私、転生したんです」
すばるは正直に言った。
「転生?それって何ですか?」
さくらは不思議そうに聞いた。
またやってしまった。とすばるは思った。ラノベなんてありはしないような世界ではもちろん転生なんて言葉も通じない。ややこしいことに、ここは現実世界に似ている異世界なんだ!
「それは…えっと…別の世界からこの世界に生まれ変わることです」
すばるは言った。
「別の世界?そんなことができるんですか?」
さくらは驚いた。
「できるんです。私は今まで別の世界で生きていたんです。でも、ある日、ふとしたことがきっかけで、この森にいたんです」
すばるは言った。
「それはすごい。でも、どうしてその…転生?したんですか?」
さくらは尋ねた。
「それは……わかりません」
すばるは言った。自分が転生した理由は全くわからなかった。自分はFXトレードをしていたら、突然、意識が遠のいて、この世界に来てしまったのだ。
「わからないんですか?」
さくらは無邪気に首を傾げた。
「でも、この世界に来てよかったですね。この世界は素敵な世界ですから」
さくらは笑顔で言った。
「素敵な世界?」

すばるは疑問に思った。
「はい。この世界には神託という不思議な力があります。その力を使える人々が巫女と呼ばれています。私も巫女の一人なんです」
さくらは言った。
「神託?巫女?」
すばるは聞き返した。